振袖のコーディネートは帯が超重要!失敗しない帯の選び方
振袖は、成人式や結納、結婚式など、人生のとくに大事なシーンで着用されることが多い着物です。しかし、あまり着る機会がないため、どんな風に振袖を着たらよいものか迷ってしまいます。今回は、そんな悩ましい振袖と帯のコーディネート方法について、説明します。これから振袖を着る予定がある方は、ぜひ参考にしてください。
帯の選び方
コーディネートを考える上で、まず帯がどんな役割を担っているのか知ることが大切です。振袖に対して帯は「全体のイメージを引き締める」という役割を持っています。想像してみてください。振袖とまったく同じ色の帯を締めていたら、どうでしょうか。
どこからどこまでが帯なのか不明瞭になり、ぼんやりしたイメージになってしまいます。なので、帯を選ぶときのポイントは、色を変えるということです。同系色でまとめる場合には、濃淡を変えてあげるとメリハリがつけられます。振袖の色が濃い場合には、色の薄い帯を選ぶとよいということです。
色のほかには、柄で変化を付けるのも方法のひとつです。ひとつひとつの柄が小さめの振袖を着る場合には、大きな柄の帯を締めると、違いがはっきりと出ます。また、丸や花柄といった曲線的な柄の振袖には、直線的な柄の帯を合わせると、全体をしっかり引き締めることができます。このように、引き算することも帯選びの大事なコツのひとつです。
振袖に合わせるのにおすすめの帯の色や柄
色と柄のバランスが、上手なコーディネートに結びつくということはわかりました。次はもう少し具体的にどんな帯を合わせればよいか、色・柄ごとに見ていきましょう。
色の明るさで分ける
明るい色の振袖には、クリーム色や白色が合います。落ち着いた柄の振袖を選んだ場合には、金色の帯を選ぶことで華やかさのバランスを取ることができます。反対に、暗い色の振袖を着る時は、黒や青といった色を合わせるのがおすすめです。
色を変えるのがポイント、と前述してはいますが、暗い色の振袖に明るい色の帯を合わせると、帯が身体を分断しているように見えてしまいます。同系色の暗めの色を選んだ方が、すっきり着られます。
柄は帯の結ぶ方で決める
帯にもたくさんの柄があって、1つに決めるのが難しいところです。まずどんな帯の締め方をするかを決めて、大きなカテゴリーを絞ると選びやすいかもしれません。締め方別で、定番の柄を3種類ご紹介しておきます。
まずひとつ目は、太鼓柄の帯です。一番ベーシックな帯の締め方・お太鼓結びをする場合に適した柄の帯のことを指し、胴とたれの部分にちょうど柄が出るようになっているのです。比較的お安く買えるのでハードルが低いのですが、帯を結ぶのに慣れていない人にはちょっと難しい部分があります。
というのも、身体の形によって柄が出る位置がずれてしまうことがあるからです。プロに着付けしてもらえば心配もありませんが、自分で着るのであれば、事前に練習しておいて、自分の体型に合う結び方のコツを見つけておくと安心です。
ふたつ目は、全通柄というものです。帯の全体に柄が入っているため、値段が高めの帯になります。どんな結び方にも対応できるので、シンプルな振袖に豪華な締め方を合わせたい場合にはうってつけです。
最後にご紹介するのは、六通柄です。帯の6割に柄が入っているものを指します。全通柄と同じような結び方ができますが、見えない部分に柄が施されていない分、全通柄よりも値段をおさえることができます。軽くて結びやすいのも特徴です。
雰囲気別おすすめの組み合わせ
さて、振袖と帯の合わせ方については、おわかりいただけたでしょうか。あとはご自身の好きなデザインを選ぶだけですが、洋服とは色使いも異なるため、雰囲気を掴みづらいものです。でも、ちょっとしたコツをおさえさえすれば、自分の振袖姿に持たせたいイメージを簡単に作り出すことができます。
たとえば、華やかな印象を持たせたい場合、万能アイテムは金色の帯です。暗い色の振袖を選んでいたとしても、金色の帯を合わせるだけで、一気に豪華に見せることができます。
かわいい雰囲気を作りたい方には、振袖と帯をパステルカラーで揃えるのがおすすめです。クリーム色や金色がとくに合わせやすく、ふんわりした印象を作り出せます。淡い色同士だとぼんやりした印象になりがちですが、帯締めや帯揚げに緑や黄色のような、はっきりした色を差し込めば問題ありません。
元気なイメージで振袖を着たいなら、振袖の色と反対色の帯を選ぶとよいです。反対色というのは、水色であればオレンジ色、黄色であれば藍色というような具合です。この場合、それぞれの色の強さを合わせると、なじむようになります。
振袖のコーディネート、難しいようでいておさえるべきポイントはそこまで多くありません。洋服を選ぶのと同じように、色と柄のバランスに気を付ければ、自由に組み合わせを考えることができます。余裕があれば、帯締めや帯揚げの合わせ方も考えてみると、より一層楽しくなることでしょう。セットで買ったり、借りたりしてしまえば確実で簡単ではありますが、着る機会の少ない振袖だからこそ、振袖・帯選びに自分でチャレンジしてみるのはいかがでしょうか。